簿記検定

【工業簿記】作業効率を把握するための標準原価差異分析についてできるだけ簡潔に理解・確認する方法

約 7 分程度(目安)で読むことができます。

こんにちは。

今回は工業簿記で出題されたら確実に得点をとりたいと言われている標準原価差異分析についてできるだけ簡潔に理解・確認する方法を考えてみました。
まずはじめに、そもそも標準原価差異分析とはなんぞやということについて最初にふれておきます。
標準原価差異分析で行いたいことを簡単に要約するとすれば、『過去の実績や作業員の技量などから製品の製造にこれぐらいかかるだろうというコストの目標値を定め、その後、実際にかかったコストと比較し、差分があれば要因を調べ、作業工程の改善をはかる』といった感じです。
では製品の製造にかかるコストの種類ですが、工業簿記的に次の種類がありますね。

  • 直接材料費
  • 直接労務費
  • 直接経費
  • 製造間接費(間接材料費、間接労務費、間接経費から振り替えられたもの)

もし、自身がない人は工業簿記の仕分けの主役「振り替え」について感覚的に理解する方法が参考にしてくださいね。
しかし、このうち、直接経費については標準原価差異分析の対象外となります(これまでの簿記試験内容上)。他の直接材料費、直接労務費、製造間接費は製造量に比例して変動費が必ずかかってきますが、直接経費の変動費は簿記試験的には聞いたことがありません。
そういった背景からでしょうか、原価差異の対象は直接経費を除く直接材料費、直接労務費、製造間接費になります。
さらにそれぞれに対し、求める原価差異の種類は次のようになります。

  • 直接材料費
    ①「価格差異」と「数量差異」
  • 直接労務費
    ②「賃率差異」と「時間差異」
  • 直接経費
    (対象外)
  • 製造間接費
    ③「予算差異」、「操業度差異」、「能率差異」

このうち、①「価格差異」と「数量差異」と②「賃率差異」と「時間差異」については棚卸減耗・商品評価損ボックス図と工業簿記の原価差異分析図の違いについて改めて確認しておこうに理解する方法の内容を紹介しているので、確認してみてください。
確認するのが、少し手間だという方のために同計算用ボックス図を紹介しておきます。

「価格差異」、「数量差異」、「賃率差異」、「時間差異」は上図の四角形の面積から求めることができます。
では、ここから実は本記事の本題でもある、残る製造間接費の「予算差異」、「操業度差異」、「能率差異」について簡潔に理解・確認する方法を紹介していきたいと思います。

工業簿記の原価差異を攻略!製造間接費差異分析を簡潔に理解・確認する方法

製造間接費差異分析をなるべく簡単に理解するには、やはり図で覚えるほうが効果的でしょう。
ということで、製造間接費差異分析用の図を次に示します。こちらはシュラッター図とも呼ばれる有名な図です。

この図を覚えてしまえば、製造間接費差異分析を簡潔に理解・確認する方法のはなしは完了です^^
さすがにそれではと指摘を受けそうなので、図について補足します。

  • ①予算差異について
    予算差異は予算許容額と実際発生額の差です。
    予算許容額は横軸の操業度に応じた比例グラフ上の値となり、実際発生額は縦軸に実際の値が記されます。
    別な表現をすれば、あらかじめ決めておいた予算(標準原価)と実際に発生した費用の差額のことです。
  • ②操業度差異について
    操業度差異は機械などの設備の利用度(どれだけ有効活用できたか)から起因して固定費から発生する差異です。
    わかりやすい実生活で例えるなら一日使い捨て用コンタクトレンズを利用している方もいると思いますが、1時間だけ利用して処分する場合と8時間利用して処分する場合とでは、8時間利用したほうが有効活用したという感覚になりますよね。この感覚は1時間利用した場合よりも操業度差異が小さいことで得られた感覚ともいえるというとイメージしやすいのではないでしょうか^^;
    もうおわかりかもしれませんが基準操業度とは、機械などの設備を有効活用するための操業度となります。
    おもしろい点は、基準操業度(利用可能な機械などの設備の操業時間)と標準操業度(製造のために目標と定めた操業時間)が一致しない点ですね。作業効率が良すぎると機械などの設備の能力を持て余すことになるということですね。
  • ③能率差異について
    能率差異は作業能率から起因して発生する差異です。
    図に示されているように変動費と固定費の両方から発生する差異です。
    例としては専任の作業員が急な用事ができたため、かわりに入った応援の作業員がその仕事に慣れるまで時間がかかってしまい、目標(標準操業度)より多く時間がかかった、能率差異が発生したなどがあります。

以上、シュラッター図の中身についてふれましたが、本当にお伝えしたいことは同図を覚えてしまって、同図の①、②、③の高さを求めることで各種差異を求められるということです

工業簿記の原価差異を攻略!最後にもう一つ(シングルプランとパーシャルプラン)

最後に標準原価計算にでてくるシングルプランとパーシャルプランについて簡単にふれておきたいと思います。(簿記の勉強をしていると同じような用語がたくさん出てきて、頭の中の知識がこんがらがることを少なくないと思いますが、そのうちの一つが私の場合、シングルプランとパーシャルプランでした。)
本来なら別記事にすべきかどうか悩んだのですが、標準原価差異分析が標準原価計算の内容の一部であること、内容的にそれほど多くないということもあって、本記事でついでに確認しておきたいと思います。

標準原価計算では原価を計算する場合に、実際の金額ではなく、予定目標の金額(標準原価)を利用しますが、上図のとおり、シングルプランとパーシャルプランでは仕掛品勘定の当月投入費用に次のような差があります。

  • シングルプラン
    仕掛品勘定の当月投入費用に『標準原価』を適用する。
  • パーシャルプラン
    仕掛品勘定の当月投入費用に『実際原価』を適用する。

このことを覚えておいてくださいね。
なお、上記の違いにより原価差異が出現するタイミングもシングルプランとパーシャルプランでは異なり、シングルプランでは材料、労務費の各勘定で出現、パーシャルプランでは仕掛品勘定で出現と出現タイミングが異なります。

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