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【工業簿記】CVP分析が欠かせない変動費率についてサクッと理解

約 9 分程度(目安)で読むことができます。

こんにちは。

工業簿記の変動費率とは?と聞かれ、そんなの余裕だよとすぐに2つ思い浮かんだら、本記事は読み飛ばしてもらっても構いません。
もし、1つしか思い浮かばなかった方はぜひこの機会に確認しておきましょう。
かくいう私も過去に変動費率の意味を一つしか理解できていなかったために、そのまま試験にのぞんだ結果、運悪く?私が知らなかったほうの変動費率の問題が出て、その試験は散々たる結果に終わってしまった苦い記憶があります。
ということで改めまして、本題の変動費率について確認しておきたいと思います。
まず、いきなり結論めきますが、変動費率には次の2種類があります。

  • ①製造間接費差異分析図(シュラッター図)で出てくる変動費率
  • ②CVP分析で出てくる変動費率

私の感覚としては①製造間接費差異分析図(シュラッター図)のほうをよく知っている方が多いのではないでしょうか。

この変動費率は製造間接費の標準原価の変動費を操業度で割ったものとなります。

①製造間接費差異分析図(シュラッター図)の詳しい説明は別記事「作業効率を把握するための標準原価差異分析についてできるだけ簡潔に理解・確認する方法」で紹介しているのでご覧になってください。

別記事を読むのが億劫という方は次の変動費率の説明を含む「製造間接費差異分析図(シュラッター図)」の図をみて製造間接費の変動費率についてイメージしてみてください。

それでは、これら変動費率の違いについてみていきましょう。

製造間接費差異分析図の変動費率とCVP分析の変動費率の違いについて

製造間接費差異分析図(シュラッター図)の変動費率について少し触れましたが、具体的に製造間接費差異分析図の変動費率とCVP分析の変動費率の違いについてみていきましょう。

視点を変えると次のような違いがあります。

  • 変動費に販売費項目が含まれるかどうかによる違い
    製造間接費差異分析図の変動費はあくまで製造にかかった費用のみとなりますが、
    CVP分析の変動費には製造費だけでなく、変動販売費も含まれます
    このため、各変動費とダイレクトに関係する利益の種類も異なり、前者は売り上げ総利益に関係し、後者は営業利益に関係します。
  • 変動費率の求め方の違い
    製造間接費差異分析図の変動費率は製造間接費の標準原価の操業度に対する比率です。
    対してCVP分析図の変動費率は売上高にしめる変動費(販売費含む)の割合です。
    変動費率という同じ名前なのに、計算方法は異なります。

製造間接費差異分析図の変動費率とCVP分析の変動費率の違いについて少し理解が深まったかと思いますので、
あわせて、製造間接費差異分析図(シュラッター図)とCVP分析図の違いについても確認しておきましょう。

  • 製造間接費差異分析図(シュラッター図)とCVP分析図の違い
    製造間接費差異分析図の目的は標準原価差異の値(実際の製造コストがどれだけ目標値より余計にかかったか、またはかからなかったか)を求めることです。
    対してCVP分析図の目的は損益分岐点や目標販売利益に対する売上高(どれだけ売れば、損得なしか、利益がでるか)を求めることです。

製造間接費差異分析図(シュラッター図)とCVP分析図は変動費率だけでなく、両図についても異なるものということを理解してもらえればと思います。

変動費率の違いについての説明は以上となりますが、少し触れたCVP分析について、簿記試験的にも重要な項目であることから引き続き、確認していきたいと思います。

CVP分析を使った変動費率の解析

CVP分析図

まず、CVP分析を理解するには前条件として下記の図は覚えてしまってください。

覚えきれない方は後でゆっくり覚えてもらえれば大丈夫です。

ではこの図から派生する公式をいくつかご紹介します。

ただし、ここではこれだけ覚えておけば大丈夫というものだけピックアップしています。

そのため、教科書等で紹介されている一部公式(目標営業利益(率)を達成するための売り上げ高など)については触れていません。

理由は、次にピックアップした公式と上のCVP分析図からここでふれなかった公式で求めたいことが導き出せるからです。

それではピックアップした公式を順番に紹介していきますね。


これは公式というより変動費率という用語の意味を覚えるつもりで暗記する必要があります。


これも公式というより貢献利益という用語の意味を覚えるつもりで暗記する必要があります。


これもまた公式というより貢献利益率という用語の意味を覚えるつもりで暗記する必要があります。

なお、変動費率と貢献利益率はともに売上高に対する割合で足すと1になります。


またまた公式というより安全余裕率という用語の意味を覚えるつもりで暗記する必要があります。


さて、真打登場の損益分岐点を求める公式です。これまでと違って、公式らしい公式です。

しかし、図の注釈にもあるとおり、じつはこれまで暗記してきた公式(用語)だけでこの公式を覚えずとも損益分岐点の売上高を求めることができます。
その方法を次図で紹介します。

損益分岐点売上高の公式をわざわざ覚えなくても導き出せることがわかりますね。

でも、公式を覚えれば、それはそれで、上のような図を書かずして一発で損益分岐点の売上高を求めることができるので、試験直前ぐらいに詰め込むのがよいと思います。

また、目標営業利益や目標営業利益率を達成するための売り上げ高も損益分岐点の売上高と同じ要領でその答えを導き出すことができます。

損益分岐点の売上高を求めるときは営業利益を0として計算しましたが、目標営業利益の売上高を求めるときは営業利益を0ではなく、目標営業利益として計算することになります。

また、目標営業利益率は売上高に対する目標営業利益の割合ということが理解できれば、これも同じ要領で売上高の答えを導きだせるでしょう。

(もし、説明が足りない点がありましたら、メールくださいね。回答を返信させていただきます^^)

以上が、CVP分析を理解する方法になります。

書いている途中、なるべく教科書的でなく感覚的に理解できるようにつとめたつもりですが、CVP分析について少しでも理解が深まったと感じてもらえれば、これほど嬉しいことはありません。

最後にもう一つ、損益分岐点売上高の公式そのものを導出してみた

お題のとおり、損益分岐点売上高の公式そのものを導出してみました。

しかし、そんな大そうなことではなく、数字に強いひとなら、比較的容易に導けるような内容です。

最後にその方法を紹介して、CVP分析に関する記事を終了させていただきます。


上図のように売上高→S、変動費→Cc、固定費→Cf、生産・販売量→Vと変数をわりあてます。数学を解くときによく行われる方法です。


実際売上高の関数式と原価の関数式をイコールで結ぶと中学時代の数学でならった一次等式となるので、あとは学生時代の数学の授業を思い出して、x、yについて求めます。

以上、変動費率の違い及びCVP分析についての説明になります。

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