簿記検定

【商業簿記】月次決算と年次決算、帳簿の保存期間、配当の連結修正仕訳

約 14 分程度(目安)で読むことができます。

お疲れ様です。
簿記の学習は進んでいますか^^

私が経験した商業簿記のプチ疑問の第6弾を紹介したいと思います^^

今回の題目は次のようになります。

  • 月次決算と年次決算に何かつながりはあるの?
  • 過去の連結修正仕訳の帳簿はいつまで保存?
  • 配当の連結修正仕訳の非支配株主持分の意味

それでは、まいりましょう。

月次決算と年次決算の違い

決算といえば、1年に1回行う年次決算を思い浮かべる人も多いと思いますが、テキストでは月次決算の章もありますよね。
ただ、年次決算の関連性については書かれていないことも意外に多いですよね。

「月次決算の帳簿は、年次決算でどう活かされるんだろうか?」など

そこで月次決算と年次決算の関係性について確認しておきたいと思います。

関係性について表にまとめてみました。

月次決算と年次決算の関係性
比較項目 年次決算 月次決算 補足
目的 1年間の通信簿(財務諸表)を作る。 月単位の通信簿(財務諸表)を作る。 年次決算ではすべての財務諸表(貸借対照表や損益計算書、株主資本等変動計算書など)を作りますが、月次決算では場合によって損益計算書を優先します。
決算整理仕訳に臨む時の経理担当者の心境 ・原則、差異は許されない。(少しでも差異があれば、原因の徹底究明が必要になる。)
・スピードよりも正確さが何より重要。
・2ヶ月などの長丁場を覚悟。
・スピード重視(数日程度)
・差異が小さい時、先送りすることも。(何週間もかけてはいられない。)
経理担当者の気持ちの負担面で年次決算と月次決算で大きな違いがあります。
例えば、売掛金と売上の間で差異が見つかった。
差異の大きさは月単位の収支の中ではごくごく小さいものである。
この時の対応は
年次決算→取引先へ原因の徹底究明のための確認、依頼
月次決算→取引先への確認を場合によっては先送り
月次決算の帳簿 - 有効、年次決算でも利用する。 年次決算時に月次決算の帳簿の利用方法は2つあります。
【1つ目】
月次決算の帳簿額との差異分のみ修正
【2つ目】
月次決算の帳簿を一旦、すべて振り替えによって相殺消去し、改めて仕訳しなおす。
(相殺消去、仕訳しなおし例)
減価償却費累計額 〇〇〇 減価償却費 〇〇〇
減価償却費 △△△ 減価償却費累計額 △△△

このように月次決算の帳簿はその後もしっかり年次決算まで有効です!

ここで月次決算のメリットの例をついでに紹介しておきましょう。

  • 月次決算で"リアルタイム"で正確な経営状況を把握することができる。
    月次決算を行わなった場合の失敗例として売上が絶好調、年次決算を楽観視して、特別ボーナスを支給した。
    しかし、年次決算で減価償却費が一気に計上されたことで、特別ボーナス支給分の費用とあわせて、全体の収支がマイナスになってしまった。
    月次決算で減価償却費を月割り計上して、実質的な収支を把握していれば、特別ボーナスの支給額も調整できた。
    このように、月次決算では損益計算書が重視される傾向がある。
  • 年次決算の作業負担が軽くなる。
    月次決算によって仕訳ミスを早期に発見、月単位で解決することも可能になる。
    そして、こまめに月単位でミスを少しづつ修正してきているので、年次決算時の作業負担が軽くなる。
    逆に月次決算を行わなった場合、期中の仕訳ミスの修正を年末の決算時にまとめて、行うことになり、年次決算時の作業負担が重くなる。

月次決算は年次決算への帳簿の繰り越しだけでなく、様々なメリットがありますね。

過去の連結修正仕訳の帳簿の保存期間

子会社がある場合、親会社側では連結決算を個別決算に加えて、行う必要がありますよね。
ちなみ個別決算は会社ごとに行う決算、連結決算は子会社を含むグループ全体の決算を行うことです。
この連結決算を行う時、毎年、連結修正仕訳が必要になりますが、同時に開始仕訳を行う必要もあります。
開始仕訳は過去に毎年行ってきた連結修正仕訳をまとめたもので、連結決算のスタート基準になるものでしたね。

ここで、私がギモンに思ったのは、
開始仕訳を行うための過去の連結修正仕訳の記録をいつまで保管しておく必要があるのか
ということです。

帳簿(総勘定元帳、仕訳帳など)の保管方法は法律で決められています。
帳簿は個別決算のものだけでなく連結決算のものも対象です。
連結決算の帳簿の場合、保管場所は親会社、子会社と特に決まっていないとのことです。

保存方法は次のようになっています。

  • 原則的に紙での保存
  • ただし、認められれば、サーバ、DVD、CDなどの電子データでも可能

現実問題として、紙で保存するにしても、同時に電子データで保存していることが多いでしょう。
ある程度の規模の会社でしたら、ほとんどのところでパソコンを使って、簡単に決算資料が作れるシステム
例えば、弥生会計ソフトなどを利用していると思います。

次に保管期間ですが、次のように決められています。

  • 会社法上は10年
  • 税法上では7年

基本的に長い方が優先される傾向があるので、10年は保管しなければ、なりません。

保存期間を過ぎるまで帳簿は破棄できません。
保存期間内で帳簿を捨ててしまった場合、罰則を受けます。
逆に保存期間を過ぎても廃棄しないことによる罰則はありません。

ということで、子会社がある場合、その子会社との連結関係がなくなるまでは保存しておくと考えるのが妥当だと思います。
保存方法は電子データが主流になっていますので、全く負担にはならないでしょう。

開始仕訳を行うための過去の連結修正仕訳の記録は連結関係がなくなるまで保管しておく必要があると考えるのが妥当ですね。

配当の連結修正仕訳の非支配株主持分の意味

【ギモンに思った点】
親会社の株式資本比率が80%の子会社を仮定します。

子会社から配当金額が決まった時の仕訳は次のようになります。

借方科目 金  額 貸方科目 金  額
繰越利益剰余金 1,000 未払配当金 1,000

その後、子会社が配当を行った時の仕訳は次のようになります。

借方科目 金  額 貸方科目 金  額
未払配当金 1,000 当座預金など 1,000

次に親会社が子会社からの配当を受け取った時の仕訳は次のようになります。

借方科目 金  額 貸方科目 金  額
当座預金など 800 受取配当金 800

ではこの状況で、決算時に配当に関する連結修正仕訳を親会社で行う時、次のような仕訳になります。

借方科目 金  額 貸方科目 金  額
受取配当金 800 剰余金の配当 1,000
非支配株主持分 200

親会社が子会社からの配当の受け取り処理を相殺消去(なかったことに)します。
ここで登場する剰余金の配当は実質、繰越利益剰余金のことを指しています。
なぜ、変更する必要があるのかは連結修正仕訳の方法として決めらいるからでしょう。
(連結株主資本等変動計算書にも項目がありますし。)
ということで剰余金の配当は純資産系の勘定科目、実質、繰越利益剰余金になります。
なお、連結財務諸表では連結株主資本等変動計算書の利益剰余金の当期変動額(剰余金の配当)に表示されます。

ここまではギモンはありません。
次です。
非支配株主持分が借方にあり、みようによっては、親会社の配当受け取りの相殺消去と同じ意味合いの処理のようにみえなくはありません。
ただ、非支配株主は連結決算対象となるグループのメンバーではない。
取引相殺消去の対象にする必要があるのか。

解答です^^

連結決算でつくる財務諸表には、子会社の儲けに対する親会社以外の株主の持分も明らかにすることが義務づけられています。
なので、非支配株主分も取引相殺消去の対象になります。

以上が解答なのですが、非支配株主持分という勘定科目はとても深い意味をもっています。
なので、この機会に少し補足させていただきます。

連結決算では子会社のもうけに対して、親会社の持分、それ以外の株主の持ち分が区別できるよう、非支配株主持分という純資産の勘定科目を用いて明確にします。

配当の連結修正仕訳で非支配株主持分を借方へもってくるのは配当の相殺消去を意味するものではありますが、親会社の単なる相殺消去と異なり、非支配株主持分というグループ外の持分を明確にしている点が興味深いです。

ただ、取引がなかったことにはするけれども、取引の中身の親会社の持分、それ以外の株主の持ち分(非支配株主持分)は明確しますよというのが、上の配当に関する連結修正仕訳の意味になります。

最後に

私が経験した商業簿記のプチ疑問として今回は月次決算と年次決算の関係性、連結修正仕訳の帳簿の保管方法、非支配株主持分の剰余金の配当の連結修正仕訳の意味について取り上げてみました。

月次決算と年次決算の関係性や連結修正仕訳の帳簿の保管方法についてはテキストに書いていないことが意外に多いのではと思います。
これを知ったからといって試験に大勢はありませんが、その後のさらにステップアップを目指す場合は必要不可欠なことですので、参考にしていただければと思います。

非支配株主持分の剰余金の配当の連結修正仕訳では非支配株主持分の本来の意味が理解しきれていないと難しいかもしれません。
私の非支配株主持分の理解のし方を参考までにご紹介します。

「非支配株主持分は子会社のもうけの親会社持分以外を一旦、切り離して管理するための別金庫のようなもの」

また気づいたことがありましたら、プチ疑問について紹介していきたいと思っております。

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