株式投資

株の買い時見極め方法(基本編)

約 15 分程度(目安)で読むことができます。

前回は資金5万円前後の中小型株の購入についてご紹介しました。
今回は中小型株の買い時の見極め方法について書いていきたいと思います。

株の買い時の見極めは難しい。

株取引の基本は安く買って、高く売るということですが、この買い時と売り時の判断は簡単そうに見えて、実は簡単ではありません。むしろかなり難しいです。例えば株はいつでも、希望した価格で買えるというわけではありません。株数は株価と異なり、発行済株式数しかこの世に存在しません。そして、ある価格で購入を希望しても、その価格で売りたいと思う人がいなければ、取引は成立しないのが現実です。例えばジャスダック(JASDAQ)にNew Art(7638)という30円前後のとても安い株価で推移する銘柄があるのですが、利益が期待できる価格で仮に1000株注文したとしても、売りたい人が200株分しかいない場合、最大で200株しか購入できません。
また、株価は社会状況の変化、機関投資家のご都合主義な戦略などによって、乱気流のように乱高下することは日常茶飯事です。このため、気持ち的には底値でのベストなタイミングを予測して購入したいと考えても、不可能に近く、実際はよりベターなタイミングを選択するということが現実的になります(底値でのベストなタイミングで買いに成功するのは株人生において1度または数回ある程度だと思っています)。
百聞は一見にしかずということわざのように、実際に株の取引を始めてみると、その買い時の見極めはとても難しいことを感じるでしょう。

株の買い時の見極め方法(株価チャート利用編)

(1)上昇トレンドかつかい離率5%未満

株買い時の見極めの基本中の基本としては、上昇トレンドまたはその兆しが予想できる時が買い時の条件の一つになります。短期間の株の売買においては必須です。

下降トレンドではぜったいに購入しないことが大切です。この失敗談として、2017年8月に日本通信(9424) が赤字決算発表後、同株は翌日、200円台から160円台まで大暴落したのですが、3日後から約2日間、150円前後で推移し、そこで直感で底値と判断し、購入したものの、その後、数か月にわたって低空飛行が続き、最終的には140円で損切りしたことがありました(悲)。
決算赤字発表後の最初の取引で底値を狙うという考えもなくはないとは思いますが、その赤字となった理由についてしっかり確認した上で、敢えて購入するかどうか判断することをお勧めします。

ただし、上昇トレンドであっても移動平均線からあきらかに離れてすぎていては、遅かれ早かれ、移動平均線に近づく傾向があります。この株価と移動平均線の離れ具合はかい離率と呼ばれ、買いの目安としてはかい離率が5%未満とされることが多いです。

株のデイトレーダーのように株価を監視する時間が十分ある場合等でない限り、はかい離率が5%を越えるような買いは高値掴みになってしまう可能性があるため、株が本業でない個人投資家はかい離率5%未満を買いの判断基準にされることを推奨します。
この失敗談として、2017年4月上旬、セブン&アイのアメリカコンビニのATM入れ替えについてのニュース発表後、セブン銀行(8410)株が急騰し、かい離率が10%を超えていたのですが、直感的に買いの上限の心理的ふしめを400円と思い、399円で購入、その直後、思惑が外れ、25日移動平均線の375円に近づいていき、結局、378円で損切りしたことがありました(悲)。

関連して今後の上昇トレンドの継続を見込んだ逆指値による買い注文(強気買い)は、約定(購入成功)後、すぐにリスクを最小限にするための売り注文を出せる時間的余裕がない場合は控えたほうがいいと思っています。

(2)トレンド転換兆候出現時~上昇トレンド転換直後

ゴールデンクロスは短期線(25日移動平均線等)が長期線(100日移動平均線等)を下から上に突き抜ける株価チャートの形状の呼び名で、このような時の株価は下降トレンド(下降傾向)から上昇トレンド(上昇傾向)の転換点と判断可能なことが多いです。
同時にこのような時は上昇トレンド転換直後にあたります。

そしてこの上昇トレンド転換点を確認した場合は前向きに買いに入ることをお勧めします。

(3)底打ち感からの反発兆候出現時~太陽線・下ひげ

底打ち感からの反発兆候、場合によっては上昇トレンドへの転換点となる兆候について特徴的なチャート形状があります。下降トレンド中に白色かつ下に長いひげがあるローソク足が出た場合、上昇トレンドへの転換兆候となる可能性が高いので、底値での買い時を逃さないよう株価の動きを注視をしたほうがよいでしょう。

※ローソク足が白色だということはその日または期間の終値が始値より高い値段で引けたことを意味します。また、下に長いひげが出たということは、株価は一時的に下がったものの最終的には株価が持ち直したこと、反発したことを意味します。

株の買い時の見極め方法(思惑編)

(1)信用倍率が1倍未満

まずは信用倍率について簡単に説明しますと、

  • 信用倍率=信用買い残÷信用売り残

の計算式より求められます。このため、1倍未満では信用売り残が多く、信用買い残が少ないことを示しています。この信用売買は、証券会社からお金を借りて自己投資資金の数倍の取引ができる反面、証券会社への返却期限があります。このため、いずれは、信用売りしている人は株を買い戻す必要がありますし、信用買いの人は株を売らなければならない運命にあります。
このため、信用倍率が1倍未満=信用売り残が多い=いずれは株を買い戻す(潜在的な買い圧力)=遅かれ早かれ株価が上昇ということがいえるため、買い時の見極めとして信用倍率が1倍未満という点に注目してみてはいかがでしょう。

(2)権利落ち日の翌日または翌々日

権利確定日は期末決算または中間決算時に配当金がもらえることが保証される株購入期限です。
例えば、3/31が期末決算日で権利確定日が3/27の場合、その翌日(権利落ち日)は株価が下がることが多いです。配当金を受け取れるかどうかは権利確定日にその株を持っているかどうかで決まるため、配当金目当ての投資家はその翌日にすぐに売ってしまう人が多く、権利落ち日には株価が下がる場合が多いです。しかし、私はこれを底値で買えるチャンスだと捉えています。業績が悪くなく、好調な場合はなおさらです。私の場合、この底値買いを狙う注文の入れ方として権利確定日の翌日に直近安値より気持ち高めの価格で指値注文をいれるようにします。
運が良ければ、瞬間的な株価の騰落で底値に近い価格で購入できる場合があります。

(3)後場終了後(大引け後)の様々なニュース発表時

証券取引所での取引終了後、ネットニュースなどである銘柄に関係する大規模な新規事業等、好感がもたれるようなニュースがあった場合、その銘柄は翌日の始値から急騰する場合があります。
さらによほど大きいグッドニュースであった場合、翌日の始値からすでに高い場合があるので、このような銘柄の株を購入する場合はPTS(証券会社の私設取引システム)が役に立ちます。結果的に翌日の始値よりも安く買える場合があります。しかし、このような状況の場合、PTSにおいても当日の終値よりも若干高めで株が売りに出されるかと思いますが、買うかどうかはそのニュースの内容の影響も踏まえて検討しましょう。
例を示します。
2017年4月7日だったかと思いますが、セブン&アイのアメリカコンビニATMの入れ替えについてのニュースが大引け後、ネットを中心に発表されました。その結果、セブン&アイだけでなく、傘下のセブン銀行についても翌日の株価が360円から400円近くまで急騰しました。
また同時期にデビッドカードによるコンビニでの現金引き出しに関するニュースが発表された直後の銀行株ほぼ全面微増高になりました。
BJリーグの放映権をソフトバンクが取得した時は、ソフトバンク傘下のベクターがBJリーグのゲーム作成権取得発表するやいなや、ベクター株はストップ高となりました。
また海外情勢不安に関するニュースがある場合は、円が買われる→円高→輸入関連企業銘柄の株価が上昇といった予測も可能です。
このようにニュースの内容に関連が深い企業であれば、巨大な資金力を持つ機関投資家に対しても肯定的な思惑が働き、株価が上昇する場合があります。

(4)心理的ふしめによる底値

株価の銘柄によっては底値について心理的ふしめというものがありそうです。
例えば、銘柄ごとに暗黙の了解の底値基準となる株価があるようで、そういった銘柄はその暗黙の底値を境に反発し、それ以上、下落しない場合を何度か目にしたことがあります。
例を示します。
東京電力ホールディングスは2016/4/14前後で400円をつけていますが、そこで一気に反発し、それからずっと、450円~490円の間をキープしています。仕事の中休み中に400円をつけたタイミングに遭遇したのですが、取引する時間が足りなく、昼休みに購入しようと思ったのですが、すでに440円ぐらいまで上昇していて、買いのチャンスを逃してしまった苦い経験があります。

株の買い時に関する注意点

  • 予想外の騰落によって底値買いのチャンスが到来したときに、必ず買えるよう、手持ちの資金(買いつけ余力)は、一定程度、残しておくことを推奨します。関連して売り注文で約定した場合の買付余力として反映されるまでの時間も証券会社ごとに確認しておいたほうがよいでしょう(基本的に売り注文の約定分を利用して同一日に買い注文を入れることは不可なことが一般的)。
  • あまり手持ちの資金を遊ばせておくこともメリットはないので、気になる銘柄の底値あたりで指値注文(逆張り)しておくことを推奨します。地政学的理由(朝鮮半島情勢等)等で一時的に大きく下落することもまれにあります。また最低でもSBI証券サイトでの話しになりますが、注文中の指値値は当日でも都度変更できるため、休憩時間等限られた時間内で購入を検討する場合に便利です。
  • 同じ業種に集中することは避ける。
    株の相関係数が-1(リスク最小)になるよう購入することをお勧めします。この失敗談ですが、一時、朝鮮半島情勢がこれまでになく緊迫したことがありましたが、その時、たまたま保有していた銘柄が地政学的リスクの影響を受けやすい銀行銘柄だけ(セブン銀行とみずほ銀行のみ)だったため、全体的に資産を減らしてしまった苦い経験があります。
  • 気配値
    気配値はSBIサイトなどでも確認できますが、だいたい証券取引前場の開始30分前ぐらいから更新され、最新の指値注文状況が発表されます。そして上昇トレンドにある銘柄は買気配株数合計(UNDER)が売気配株数合計(OVER)を上回る傾向が多いのです。しかし、取引前の値は個人投資家の状況を一般的に示し、巨大な資金をもつ機関投資家分は反映されていないことが多いので、信用し過ぎるのも禁物です。
  • だまし
    業績が悪いニュースばかりの銘柄にも関わらず、株価が上昇し始めた場合、上昇トレンドと判断するのは早計です。そのような場合、機関投資家がカラ売りという株操作のため一時的に買い戻している可能性があるためです。その場合の株価の上昇は一時的で、機関投資家によるカラ売りが実行された後は急落しますので、原因不明の株価上昇時はその背景について十分確認しましょう。
  • 各種掲示板(板情報)の情報はあくまで参考にとどめる。
    東証一部の場合は株価の値動きに対する影響度は個人投資家よりも圧倒的に機関投資家の動きに左右される現実を忘れずに。
  • 証券取引所前場開始直前の注文キャンセルには時間がかかる。
    前場開始直前の注文変更(取り消し含む)は完了するまでに時間がかかるため、買いつけ余力もすぐに復活するわけではないので注意が必要です。

まとめ

以上、買い時見極め方法(基本編)について書かせていただきました。
本記事の内容は基本中の基本になりますが、感覚的に買い時の見極めパターンの6割~7割は本記事の内容でカバーできると考えています。
その中でも私が一番実践している組み合わせは参考までにご紹介します。

『25日移動平均上昇(上昇トレンド)』かつ『信用倍率が1倍未満(潜在的な買い圧力)』かつ『かい離率5%未満』

しかし、株価に絡む要因は実に多種多様で、買い時の見極め方法も本記事の内容以外のポイントが大きく稼げるかの分かれ道になるでしょう。こういった内容(応用編)については都度、実践経験を交えて、紹介していく予定です。

ついでに記事中にも登場しました株価チャートの重要性について補足させて頂きたいと思います。会社の四季報などによる会社業績の分析(ファンダメンタル分析)も有効ですが、実践したとしても機関投資家などのプロとは勝負にならないでしょう(相撲で例えれば三役以上と幕下ぐらいの差はあると思った方がいいでしょう)。個人投資家にとってはファンダメンタル分析は強みにはなりにくいです。では個人投資家はどうすればよいのか、株価チャートで勝負します。株価チャートの分析はファンダメンタル分析のような高度な知識は必要ありません。25日移動平均線、ローソクの足、ローソクのひげ、上昇トレンド転換点などを使った基本的な買い時の見極め方を理解すれば、十分、安定した成績を残す、3割バッターを目指すことが可能だと思っています。個人投資家が継続的に株取り引きで安定した利益を生み出すにはこうした株価チャートをうまく利用して、7割の損切り時の損害は最小限に食い止め、残りの3割で大きく勝つというサイクルを実現することが必要になるでしょう。つまり初心者にありがちな打率10割は目指さない。
そのためにも7割の損切り時の損害は最小限に食い止めるということを実現するために買い時と同じくらい売り時の見極めが重要になります。

次回は株の売り時の見極め方法(基本編)について書いてみたいと思います。

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