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QC活動のテーマ選定方法など進め方についてお悩みの方々へ

2019年7月21日

QC活動のテーマ選定方法など進め方についてお悩みの方々へ

こんにちは。

突然ですが、QCって言葉は聞いたことありますか。
QCとはQuality Controlの略称で品質管理のことです。
あまりなじみのない言葉かもしれませんね。

実は会社によってはQC活動というものが行われています。
会社の中のある意味、サークルのような感じで、仕事環境や効率を今よりもよくしていこうとアイデアを形にし、最後に発表という形で締めくくる活動です。

聞こえはよいですが、これが意外に本業にも影響するほど、負担なんです。
特に、その活動のグループのリーダーや責任者になった場合はですね。

ですが、この話題自体、マイナーさゆえにあまりブログに取り上げているところはないですよね(笑)

そこで、運悪く(笑)、QC活動のリーダーになってしまった方のために、建前ではなく、実際の現場の雰囲気などもまじえつつ、ご紹介していきたいと思います^^

QC活動の進め方、テーマ選定の方法など全体の流れ

QC活動の進め方、テーマ選定の方法など
QC活動を進める時の全体の流れは"ほぼほぼ"決まっています。

【QC活動を進める時の全体の流れ】

  1. テーマの選定
  2. 現状把握と目標設定
  3. 要因解析
  4. 対策の立案
  5. 対策の実施と効果の確認
  6. 歯止め

全体の流れは、こんな感じで、基本的、どこの会社もそれほど変わりありません。
あと、最初から最後までグループ全体で行うところもあれば、極端な例では最初から最後まで一人で行った人にも出会ったことがあります(笑)

ですが、基本はグループのメンバー全員で最初から最後まで行うことが理想です。

では、各流れごとにみていきましょう。

QC活動の進め方、テーマ選定の方法など

QC活動の工程、テーマの選定

QC活動はテーマを決めるところから始まります。
今、困っていて解決したいなーと思うようなものがテーマになります。
テーマ案とも呼ばれることもありますね。

テーマの選定の目的はこれかの活動の方向性を決めることです。

なので、とてもある意味、活動の中で一番、成功の可否を握るポイントといっても過言ではありません。

最初にメンバーからテーマの意見を集めなければなりません

例えば、次のような形でアンケートをとるほうが、各メンバーからムリなく意見を集めやすいかと思っています。

提案者名 テーマ案 理由
冨澤(経理) 伝票整理の効率向上 営業から何年も前の伝票のコピーが欲しいとの依頼がたまにあるが、すでに倉庫にしまったあるものもあり、探すだけで相当な時間がかかり、困っている。
早山(アプリ開発) スマホゲームアプリの設計効率の向上 プログラムの設計書を書くとき、コードをひとつひとつ追っているが、量が多くなると半端ない時間がかかってしまう。
麻見(品質管理) スマホゲームアプリの品質の向上 品質の試験をしていると、その前の段階で見つけるべき欠陥がみつかることが少なくない。

テーマ案は最初は絞り込み過ぎないのが理想ではありますが、後で対策の内容を決めなければならないことを考えると、単なる「品質の向上」ではなく「***製品の品質の向上」とより見える形で提案してもらったほうが、その後の流れはやりやすくなります。

次に集めたテーマ案を1つに絞る必要があります。

話あいで決めるよりも次のような形でアンケートをとるほうが、ムリなく一つに絞りやすいです。

最低1点~最高3点

テーマ案 比較項目 米倉 紙谷 小計 合計
伝票整理の効率向上 期間 16
★決定
効果
困り具合
スマホゲームアプリの設計効率の向上 期間 14
効果
困り具合
スマホゲームアプリの品質の向上 期間 13
効果
困り具合

期間、効果、困り具合などで、重みづけを行い、最も点数の高かったものを今回のテーマに決定します。
上の例ですと、「伝票整理の効率向上」がテーマに決定したことになります。

次にテーマが決まると、QC検定の教科書では「問題解決型ストーリー」、「課題達成型ストーリー」どちらですすめるか決めることになっています。
私の場合、開発系だったので、暗黙の了解で特に話あうまでもなく「問題解決型ストーリー」を選ぶことが多かったですね。

理由は課題達成型よりも問題解決型のほうが、人件費などお金の面での目標が立てやすいですからね。

よっぽどの事情がない限り、「課題達成型ストーリー」を選んでいるサークルは少なかったように思います。
「課題達成型ストーリー」は目標が理想という感じになり、お金の面の効果も出せたとしてもあくまで予想になってしまいがちなんですよね。

営業や開発、製造など直接部門といわれるところのサークルは原則、「問題解決型ストーリー」を選んだほうが無難という雰囲気があります。
でも、閑散期など、お金の面で目標がたてにくい状況の場合は「課題達成型ストーリー」で進める場合もあります。

事務や経理などの間接部門といわれるところのサークルはどうしてもお金の面で目標をたてにくいので「課題達成型ストーリー」を選ぶことが多かったですね。

ここから現状把握の紹介に入っていきますが、より実際の雰囲気が伝わるよう私が経験することが多かった「問題解決型ストーリー」でお話をすすめさせていただきますm(_ _)m
しかし、「課題達成型ストーリー」と進め方は基本的に同じですので、参考にしていただいて問題ありません。

QC活動の工程、現状把握と目標設定

現状把握の大きな目的は今回の活動の目標を決めることにあります。

現状把握では決定したテーマ案の理由について、もっと具体的にどういうところが困っているのか特定していきます。

私の場合、IT系のお仕事経験が長かったので、その例で紹介させていただきます。

開発したiPhone向けアプリの試験に結構な時間がかかっていました。
そこで一番、時間がかかっている作業を割り出し、それを現状把握の結果にすることにしました。

まず、試験の手順を細分化し、それぞれ、どれぐらい時間がかかっているか調べます。

Android端末は使ったことがあるけれど、iPhoneを使ったことがないという方に行ってもらうのが理想です。

この時、複数人のデータを取れれば理想ですが、まあ最悪、自分でしても問題ありません(笑)

  1. 開発したアプリをスマートフォン(iPhone)へインストール
  2. スマートフォンのハードディスクをダミーのデータで一杯にする
  3. アプリを操作して、問題なく動作するかチェック

iPhoneの場合、Android端末と違ってデータの移動にiTunesというソフトの使い方をまず知る必要があるため、初めての人は結構な時間がかかります。
ということで、一番、時間がかかっていたのはスマートフォンのハードディスクをダミーのデータで一杯にすることで、その作業時間とあわせ、これが現状把握の結果になりました。

次にこの現状把握の結果を使って、目標設定を行います。

iPhone未経験者がiPhoneをダミーのデータで一杯にするのに、丸1日(8時間)ほどかかっていたので、目標は1時間以内にできるようにすることにしました。

「スマホアプリの試験でiPhone内をダミーのデータで一杯にする時間を1時間に短縮する」

この時、なぜ、1時間にしたのかはっきりさせておくのが理想です。
発表の時、定番のつっこみどころになりますから^^;

例えば、「Android端末のデータを一杯にするのにAndroid初心者でも1時間以内で行えるため」 など

QC活動の工程、要因解析

要因解析の目的は対策の内容を決めるための根拠を探すことにあります。

正直、私の場合は要因解析を行うまでもなく目標設定の段階で、すでにメンバー間では今回、行う対策の内容のイメージはすでに共有できていることが多かったです。

しかし、キチンと教科書どおり、要因解析から対策の内容を決めていくことが理想ではあります。
ですので、キチンとご説明していきましょう(笑)

要因解析では現状把握の結果の原因はどこにあるのか探っていきます。

連関図というものを使います。
マインドマップに似たものといったほうがわかりやすい方も多いかもしれませんね。

真ん中に現状把握の結果を置き、そこから、なぜ、そうなってしまうのか、連想ゲームのようにいろいろな意見を線でつないでいきます。

そして、真ん中の一番、近くにある要因の中から、線が多く伸びているものを2つ、3つ選び、これが要因解析の結果になります。

QC活動の工程、対策の立案

対策の立案は要因解析の結果をもとに対策内容を決めることです。
系統図で1次案、2次案、3次案と出していきます。
1次案はざっくり、2次案はもう少しはっきりと、3次案は具体的にという流れで出していきます。

そして、具体的な3次案に対して、今回、どれを一番行うのがいいか、アンケートをとって決めます。

例えば、「どれぐらい効果が見込めるか」、「実際に実現できるのか」の形でなどでアンケートをとるほうが、ムリなく決めやすいかと思っています。

ですが、正直な話、私はこの手順を真面目に行っているサークルに出会ったことはありません(笑)

先ほども少し、触れましたが、目標設定の段階で、すでにメンバー間では今回、行う対策の内容のイメージはすでに共有できていることが多かったですので。

対策内容まで決まったら、QC活動の大きな山は越えて、後は下りていくのみです

対策内容を実現する担当者を決めて、後は機械的に粛々と進めていくことになります。

QC活動の工程、対策の実施と効果の確認

効果の確認の目的は対策前と対策後でどれだけ、現状把握の結果ついて改善できたか明らかにすることです。

効果の出し方の内容としては次の3つが一般的です。

【効果の出し方】

  • 目標の設定で決めた目標をクリアしたかどうか
  • 現状把握の結果に対する有形効果
    目に見える効果のことで人件費など節約につながった金額など
  • 無形効果
    目に見えない効果のことで気持ち面でのプラス効果、スキルの向上効果など

ここの作業は発表資料のために必要なもの(?笑)なので、一人でもできます。
だれかに頼みずらい時は自分で行ってもそれほど、大変ではありません(笑)

QC活動の工程、歯止め

最後の歯止めは同じ問題(現状把握の結果)が再度、出ないようにするために今後の予定を決めることです。

今回、時間を割いてまで、せっかく対策したのに発表して終わりでしたら、また同じことの繰り返しになってしまいます。
そうならないように歯止めをする必要あります。

例えば、次のような感じです。

  • ○○○さんが、対策として作った作業マニュアルを毎年△月に更新すること
  • ○○○さんが作業マニュアルの更新情報についてメンバーに連絡すること

ここの作業は発表資料のために必要なもの(?笑)なので、一人でも行おうと思えばできます。
だれかに頼みずらい時は自分で行ってもそれほど、大変ではありません。

QC活動のリーダーになっても各工程の目的を理解すれば道は開ける

QC活動の進め方、テーマ選定の方法など

一般的にはマイナーな話題だけにブログでわざわざとりあげているところがなかったので、取り上げてみてました。
自身も苦労した経験がありますので。

はじめてQC活動に参加する方や運悪く(?笑)、リーダーになってしまった方にとって少しでも役にたてば、嬉しいです。

QC活動の内容自体は決まった手順なので、それほど、難しくはないのですが、リーダーの場合、複数の人たちの意見をまとめたり、決定したりする必要があるので、QC活動の理解が不十分なままだと、進められるものも進められなくなってしまいます。

リーダーになってしまった場合はあきらめて(笑)、事前にQC活動の流れの理解とスケジュールを準備しておかれることをおすすめします^^
そのために本記事はお役にたてれば嬉しいです^^

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