今回は、生まれてはじめて株の取引を行う際の注意点や方法について体験談を踏まえてご紹介したいと思います。
株式投資を始めるにあたり、いきなり、単元株で行うことは損をするリスクが小さくないでしょう(ビギナーズラックという言葉はありますが、まず期待しないほうがよいでしょう)。株式投資の成功率は経験数に比例すると思っています。初めの第一歩としては単元未満株で株の売買に慣れることからはじめてみましょう。
購入後、思惑と外れ、株価が下がることもあるでしょう。ここで、すぐにあわてて売らず、多少の年月を待って損益がプラスに転じるまで我慢強く待ちましょう。しかし、いくら待っても、損益がプラスになることが見込めない場合があります。例えば、もうつけないような高値の株価を購入してしまった場合などです。こうならないようにするために、最低限、守るべき購入方法について、ご紹介します。今後、損切り癖をつけないないためにも一番最初の結果は重要だと思っています。以降、SBI証券の利用を前提に書かせていただきます。
SBI証券で単元未満株を購入・注意点
(1)3年~10年チャートの利用して高値掴みを避ける。
シャープ(6753)単元未満株の購入時のことについて書いてみたいと思います。
はじめての株取引、緊張と同時に夢でどきどきしたことを記憶しています。
- SBIサイトにログイン。
- 国内株式というタブを選択。
- 検索欄に子供の頃から身近だったシャープを入力。
シャープを冠した会社一覧が出てくるのでシャープ(6753)を選択。 - シャープ株確認画面のチャートタブを選択し、株価の推移を示すチャート画面を確認。
2017年1月某日の終値は376円でした。わずか1か月前までは150円前後を推移していました。
10年チャートを見ると、2008年は2000円を付けていましたが、途中、経営不振等による度重なる会社のイメージダウンが響き、ここ2年程は100円台の低空飛行、それが、2017年正月早々、上昇に転じていました。 - 2017年正月早々の経営不振を払拭するニュース(ホンハイによる買収ニュース)や高値から10分の1近い株価という割安感から素人予想ながら、上昇機運と判断し、50株購入。購入費用は376円/株×50株=18,800円でした。
同じような感覚で東芝株300円を10株購入。購入費用は300円/株×10株=3000円でした。
(2)25日移動平均線で上昇機運の株を購入する。
私は利用できなかったのですが、移動平均線を利用すれば、大きな損をするような株を購入してしまうことを回避できる可能性が高いでしょう。
移動平均線は5日、25日、50日などありますが、最も、その株価の今後の上下予想を行うには25日移動平均線がわかりやすいでしょう。直近の25日分の株価の平均値をつないだ線ですが、この平均線が上向きの株を購入することが、この先も含めて基本になります。
(3)単元未満株の注意点
単元未満株の注意点について単元株との違いからご説明します。
取引を始めたばかりの方は、なかなか気づきにくい注意すべき点があります。
SBI証券の場合ですが、
- 単元未満株は単元株のように指定した株価で買えない。
単元未満株は翌日の前場の始値または後場の始値でしか買えません。
さらに翌日の前場の始値で購入予約できるのは月~金(15:30~21:30のみ、ただし祝日は除く)、そのため、休みだからゆっくりと土日で予約をしようと考えていると、購入価格は、翌日の前場開始時(9:00)ではなく後場(お昼休み直後)の始値での購入になってしまいます。
単元未満株を可能な限り、一番、間近の株価で購入するには平日中の注文が必要なので注意が必要です。 - 単元未満株は単元株と異なり、購入手数料がかかる。
単元未満株は売買の都度、100円強(10万円以下の場合、買い50円、売り50円)の手数料がかかります(SBI証券の場合、約定金額の0.500%(税込 0.540%)となっています)。取引金額が小さい単元未満株の場合は決して、無視できない金額です。購入手数料で利益が相殺してしまわないためにも最低でも50株は購入したいところです。しかし、単元未満株をなるべく早く卒業して(株取引とはなんぞやということを肌感覚で感じたら)、単元株の売買に挑戦しましょう。
単元未満株で株式投資の基本を学ぶ。
(1)会社業績の基本的な見方を知る。
それまで、見向きもしなかった損益計算書(会社がどれだけもうけているか知ることができる決算書)、貸借対照表(会社がどれだけ借金をしているかを知ることができる決算書)など会社経営に関する情報に関心をもつようになる。
結果として経営者的視点で会社を捉えるようになってくる癖がつきます。株を始めるとこうしたビジネス面での無形のメリットも得られるでしょう。
(2)様々なニュースに敏感になる。
最低でも購入株の会社に関するニュースについて手当たり次第、確認するようになります。株価は単純なところも少なからずあり、購入株の会社に関する気前のよいニュースが流れたり、直接的な内容ではなくても、その会社の事業内容に関係ありそうなものが話題になったりすると、様々な思惑が生じ、それに反応して株価が上下することも多いです。例えば仮想通貨に関する明るい話題がでると、ネット銀行株が上がる時期がありました。このため、無意識にニュースに対し、敏感になります。
はじめての株式投資の挑戦の結果
ちなみに私の単元未満株の最終結果は
- 東芝 300円x10株 → 210円×10株 ▲900円
- シャープ 376円×50株 → 410円×50株 △1,700
で800円プラスの売上という結果となりました。しかし、それぞれの株に対し、売買手数料が100円づつかかりましたので、最終的な利益は600円となりました。
なんとか、プラスの形で単元未満株を"卒業"するという最低限の目標は達成することができました。
まとめ
(1)はじめての単元未満株購入基準
- 3年~10年チャートで現在の株価が高値ではない、またはどちらかというと底値に近い場合、購入を検討する。
- 25日移動平均線が上向き、株価が上昇機運の場合、購入を検討する。
(2)単元未満株の株取引は本格的な単元株取引前のウォーミングアップ
先にご紹介したとおり単元未満株は単元株に比べて、購入手数料や購入時間などの面で、かなり不利です。またローリスク、ローリターンの単元未満株では株の醍醐味であるハイリターンを狙うには向いていない買い方です。単元未満株の取り引きは株取引の感覚を知ることが第一の目的です。それができたなと思ったら、速やかに単元株の取引に移行することをお勧めします。
次回からは単元株取り引きを基本にした本格的な取引方法についてご紹介していきたいと思います。